吉岡里帆の女優としての転機『カルテット』とは?空気で語る演技が光った理由に迫る

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この記事を読むとわかること

  • 吉岡里帆が『カルテット』で演じた役柄とその衝撃
  • 視線・間・沈黙で魅せた圧倒的な演技力
  • SNSの反響と彼女のキャリアに与えた影響

静けさの中に潜む狂気、笑顔の奥に宿る計算。
2017年放送のドラマ『カルテット』で、吉岡里帆さんが演じた「来杉有朱(きすぎ・ありす)」は、わずかな登場で物語を揺るがす“静かな爆弾”でした。

この作品は、今や“看板女優”となった吉岡さんの出世作としても知られており、視線や間、沈黙だけで感情を表現する“空気で語る演技”が各方面から高く評価されました。

「怖いのに、目が離せない」──そんな声がSNSを中心に拡がり、有朱というキャラクターは“ただの脇役”を超えた存在感を放っていました。

この記事では、彼女がこの作品で魅せた演技力の真髄、キャリアへの影響、そして“再視聴したくなる理由”を深掘りしていきます。

そして今、真夏にこそ観てほしい理由があります。
雪景色の軽井沢、静かな弦楽四重奏、心の温度がひんやりと下がるセリフの数々──
夏の喧騒から少し離れて、自分の感情と向き合う時間にぴったりの一本です。

読み終えたとき、あなたの中で『カルテット』が“ただのドラマ”から“忘れられない作品”に変わっているかもしれません。

『カルテット』とは?大人のための会話劇ドラマ

『カルテット』は、音楽と人生が交差する場所で、静かに心を揺らしてくれるドラマです。

舞台は冬の軽井沢。偶然出会った4人の男女が、弦楽四重奏団(カルテット)を組み、ひと冬の共同生活を始めます。

この設定だけで胸がすっとして、何かが始まりそうな予感に包まれます。

脚本を手がけたのは、繊細な人間描写に定評のある坂元裕二さん。

からあげにレモンをかけるかどうか──そんな他愛のない会話にも、じわりと人間関係の深みが滲み出ていて、

思わずセリフを何度も巻き戻して見てしまう…そんな魅力が詰まっています。

音楽ドラマでありながら、テーマは恋愛でも友情でもありません。

「夢が叶わなかった大人たちの、静かな再起」──この一点に尽きると、私は感じています。

それぞれがどこかでつまずき、居場所を失い、それでももう一度自分を奏でようとする姿に、胸が熱くなりました。

主演は松たか子さん。そして、満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さんという実力派の俳優陣が集い、どのシーンも“舞台のような緊張感”があります。

そして忘れてはならないのが、吉岡里帆さん演じる「来杉有朱(きすぎ・ありす)」という女性の存在です。

彼女は4人のカルテットの中には入らない、けれど物語の“静かな爆弾”として、空気を一変させる役どころ。

私はこの役で、吉岡さんの女優としての“真の可能性”を初めて感じたように思います。

吉岡里帆が演じた“来杉有朱”とはどんな役?

『カルテット』という静かなドラマの中で、吉岡里帆さんが演じた“来杉有朱(きすぎありす)”は、まるで小石を投げ込んだ湖のように、物語に波紋を起こす存在でした。

彼女は、軽やかな言葉と笑顔で相手の心に入り込みながら、無意識に、あるいは意図的に人の感情を揺さぶっていく女性。

一見すると“天真爛漫な明るい女の子”に見えるのですが、その実態はまったく異なります。

有朱のキャラクターは、人の隙を見つけて入り込む鋭さと、それを楽しむような危うさをあわせ持っています。

彼女の何気ない一言が、人間関係を微妙に崩していく──そんな場面がたびたび登場し、私は画面を観ながら思わず息を止めてしまう瞬間がありました。

とくに中盤、巻真紀(松たか子)とのシーンでは、有朱の“本性”が一気にあらわになります。

真紀の過去を知っているのか、それとも単なる挑発なのか。

有朱は穏やかな表情のまま、こんなふうに言葉を投げかけるのです。

人を〇すって、案外簡単ですよね?
私だったら、もっと上手にやれたかもしれません

その瞬間、私は画面に釘付けになりました。

怖いというより、“底知れなさ”に背筋がゾワッとしたのです。

吉岡里帆さんの声のトーン、目線、間の取り方すべてが計算されていて、ただのセリフとは思えない説得力がありました。

この役は登場シーン自体はそれほど多くありません。

しかし、有朱が登場することで、物語の空気が明らかに変わるのです。

まさに“空気を変える脇役”として、ドラマの緊張感を高める要となっていました。

わずかな登場時間で強烈な印象を残すという点において、吉岡里帆さんは見事にその期待を超えてきたと感じます。

この作品をきっかけに彼女が“演技派”として注目されるようになったのも、決して偶然ではありません。

なぜ吉岡里帆の演技は評価されたのか?

『カルテット』で吉岡里帆さんが演じた“来杉有朱”という役は、登場時間こそ多くはないものの、視聴者の心に強烈な印象を残した。

その評価の大きな理由のひとつが、セリフよりも“空気”で語る演技力にある。

言葉を交わさない静かな時間の中に、緊張や疑念、そして狂気さえもじわじわとにじませる演技は、まさに“感情の微細な操作”といえるだろう。

たとえば中盤の名シーン。

巻真紀(松たか子)と対峙する場面で、有朱は柔らかな声でこう問いかける。

人を〇すって、案外簡単ですよね?
私だったら、もっと上手にやれたかもしれません

その表情は穏やかでありながら、目の奥には冷たい光が宿っている。

この“言葉と表情のギャップ”が、視聴者の感情を一瞬で凍らせたといっても過言ではない。

視線の動き、沈黙の使い方、微笑の深度。

どれもが計算され尽くしていて、キャラクターの奥底にある“人間的な業”まで伝わってくる。

ただの悪女ではなく、「誰の中にもあるかもしれない影」を体現した存在として、視聴者の記憶に深く刻まれた。

ネット上でも「怖いのに魅かれる」「気づけば目で追ってしまう」といった声が多く、

単なる“嫌なキャラ”ではない絶妙な立ち位置が話題を呼んだ。

このバランス感覚こそ、吉岡里帆さんが演技派として評価される決定的な要因のひとつだろう。

説明ではなく、空気で語る

『カルテット』での吉岡さんの演技は、その難しさと美しさを見事に体現してみせた。

SNSでも「有朱が怖い」と話題に!

『カルテット』放送当時、SNSでは“来杉有朱”というキャラクターに対するコメントが次々と投稿され、ネット上に独特の緊張感と熱狂が生まれていた。

「怖すぎる…でも目が離せない」「美しさと狂気が同居している」「あの子、何者なの…?」

そんな投稿がX(旧Twitter)やブログ、掲示板で一気に拡散され、有朱というキャラは“怖さ”と“魅力”の二面性で注目の的となった

とくに注目されたのは、有朱が巻真紀に向けて語る印象的なシーン。

「人を〇すって、案外簡単ですよね?」という台詞が流れた瞬間、SNSには一斉に「ヒィッ…」「ゾクっとした」「これは名場面」といった反応が溢れた。

その場の空気が一変するような演技に、画面越しでも“何かがおかしい”という違和感が伝わったという感想も多い。

また、SNSでは「吉岡里帆、こんな役もできるのか」「有朱役で見る目が変わった」といった声も目立った。

それまでの清楚で柔らかなイメージとは異なる、ダークで鋭い一面を演じたことで、“女優としての幅”を再評価する流れが起きたのだ。

このように、有朱というキャラクターは視聴者の“感情をざわつかせる存在”として、ドラマの世界観に深みを加えただけでなく、SNSを通じて話題性と拡散力をもたらした。

物語を揺るがす脇役で、ここまで視聴者の心を掴んだケースは稀といえるだろう。

『カルテット』で受賞したドラマ賞とその影響

『カルテット』は、単なるラブストーリーや音楽ドラマの枠を超え、大人の会話劇として多くのドラマ賞を席巻した作品だ。

中でも評価が高かったのは、コンフィデンスアワード・ドラマ賞年間大賞(2017年)においての「作品賞」受賞

脚本・演出・俳優陣のバランスすべてが「完成度の高い群像劇」として認められた。

その中で吉岡里帆さんも、同アワードの「新人賞」を受賞

当時すでに注目され始めていた彼女だが、この受賞によって“実力派女優”としての第一歩を明確に示したことになる。

実際、有朱という脇役が物語に与えた重みと存在感は、視聴者だけでなく業界関係者からも高く評価された。

『カルテット』以降、吉岡さんは主演・助演問わず次々と話題作に出演。

『きみが心に棲みついた』や『ハケンアニメ!』『正体』といった作品で見せた多様な表情は、この作品で得た評価と経験が土台になっていると見る向きも多い。

特に“空気をコントロールするような間合い”や“微細な心の揺れを見せる演技”は、『カルテット』で磨かれた武器だろう。

その意味で、有朱という役は単なるブレイクのきっかけではなく、女優・吉岡里帆の演技力に対する信頼を築いたターニングポイントといえる。

吉岡里帆の代表作とその進化|次に観るならこの作品!

『カルテット』で確かな存在感を示した吉岡里帆さんは、その後も幅広いジャンルで演技の幅を広げ続けている。

“出世作”という位置づけを超えて、キャリアの土台を築いたのがこの作品だったことは間違いない。

ではその後、どんな作品で彼女は進化を見せたのだろうか。

たとえば2018年放送のドラマ『きみが心に棲みついた』では、繊細で不器用な女性を等身大で演じ、共感を呼んだ

また、映画『ハケンアニメ!』(2022年)ではアニメ監督役として現場の葛藤をリアルに表現し、数々の映画賞を受賞

“夢を追いかける熱さと、現実との葛藤”を真っ直ぐに描いた演技は、高く評価された。

さらに注目したいのが、2024年に話題となった『正体』。

この作品では主人公の逃亡を追う役を演じ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。

表情の奥にある“正義と迷い”を繊細に描き、演技の成熟度を印象付けた。

今から吉岡里帆さんの演技を深く知りたいなら、以下のような作品が特におすすめだ。

  • 『カルテット』 … 静かな狂気と存在感
  • 『ハケンアニメ!』 … 熱量と情熱のリアリティ
  • 『正体』 … 観る者の倫理観を揺さぶる深み

“透明感のある女優”から、“物語の軸を動かす演技者”へ

その変化を感じ取ることで、吉岡里帆さんの新しい魅力にきっと出会えるはずだ。

この記事のまとめ

  • 吉岡里帆の出世作『カルテット』の魅力を深掘り
  • 来杉有朱というキャラクターが与えた静かな衝撃
  • “空気で語る演技”が高評価された理由を解説
  • SNSでも「怖いのに美しい」と話題に
  • 少ない登場でも印象を残した表現力に注目
  • 受賞歴と女優キャリアに与えた影響を紹介
  • 『カルテット』以降の代表作と進化もあわせて紹介

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